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79.瑞穂国創世記 第一章 第二章 ※読み飛ばし可※

작가: 霞花怜
last update 최신 업데이트: 2025-07-29 20:00:06

『瑞穂国創世記 ―第一章―

 人と妖怪と神が、今より遥かに近しい時代。

 昼も夜も曖昧で、天と地も今よりずっと近くにあった神代の頃。

 人間と妖怪がより良い関係で互いに生きるため、惟神クイナは幽世・瑞穂国を作った。水が潤い喰うに困らぬ国であるようにと、この名を付けた。

 幽世が歪まぬために「色彩の宝石」を臍に置き、国を維持した。

 良き国を作るため、信を置く六柱の神に国を任せた。

 神々には「色彩の宝石」を守るよう告げた。この宝石こそが幽世の理そのものであり、最も守るべき存在であると伝えた。

 水ノ神・淤加美は現世では竜神であり、罔象の分身である。この幽世の神々の長となり、皆を纏める。水は命の源、癒しの力である。

 日ノ神・日美子は現世では日向神の巫女であり、その神力を授かった神である。暗ノ神・月詠見は夜を守り月を読む神である。幽世の暗部を守る。

 二柱が力をあわせると、強い結界が生まれる。その結界が幽世を守り、瘴気を浄化する。

 風ノ神・志那津は若いが淤加美の信頼厚い神であり、強い神力と類稀な知恵を持つ。

 火ノ神・火産霊は一度は現世に残り、代わりに弟神の佐久夜が幽世に入った。妖力が強い火の妖狐を側仕として伴い、やがて番となったが、神力弱く妖狐に飲まれた。その後、火産霊が幽世に入った。罪を焼き罰を与える火を使う。

 土ノ神・大気津は現世では保食うけもちの神であり、土壌を豊かにし豊富な作物を実らせる種を持つ神である。クイナと一層仲が良かった。人を愛し、人喰の妖怪を嫌った。それ故に、幽世の有様に憂いた。

 クイナが作った幽世・瑞穂国は妖怪が住む国であり、人喰の妖怪も多くあった。

 人を愛し、妖怪を愛し、神に愛されたクイナは「喰わねば仲良くなれるかと言えば、そうでもない。喰わねば飢えるは人も妖怪も同じ。抗うのも当然の摂理なら、喰らうも摂理。それでも共に生きる法を探したい」という。

 大気津はクイナの言葉を汲み、自ら幽世の土となった。

「私が自ら土となり、多くの食料を実らせよう。人を喰わずとも済む食料を宿そう。いつか人を喰らう妖怪がなくなるように」と願った。

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  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   81.瑞穂国の違和感②

    (大気津様は人が好きだったから人喰の妖怪を嫌っていただけだ。それ以外の、人を喰わない妖怪が、身勝手な理由でたくさん殺されてしまったら。殺したのが人間だったら。人間を嫌いになってしまうかもしれない) 人喰の妖怪は瑞穂国でも二割程度だと、火産霊が話していた。 人間が侵略に来て殺した大勢の妖怪は、そのほとんどが人喰しない妖怪だったはずだ。 大気津は神として自国の民が殺されていくのに心を痛めたのだろう。信じていた人間が愛する民を殺したのなら、反動で人間を嫌いになってしまうのも、わかる気がした。「人間が嫌いになった大気津様は、土の中で生きながら、人間を狩ってるんだよ。人喰の妖怪に分けてあげたり、自分が喰ったりしている。色彩の宝石がない今なら、現世との結界が緩くて狩り放題なんだよね。その分、迷い込んでくる人間も多いけど、そんなの大気津様や人喰妖怪には都合が良いからね」 利荔がとても怖い話をしている。 迷い込んでくる人間は、黒曜が管理して人喰の妖怪に卸していると聞いた。「結界は基本、日と暗の力なんだけどね、色彩の宝石があるからこそ、盤石になる。勿論、普通の妖怪の妖力程度じゃ破れないけど、神力なら穴を開けずに人を攫うくらい、わけないんだ」「紅優の左目でも、弱いの?」 紅優が眉を下げて頷いた。「俺のは、あくまで代わりでしかない。本物の色彩の宝石には、敵わないよ」 蒼愛は、じっと考え込んだ。 きっと良くない考えだと思うが、話してみようと思った。「あの……、今の状態って、瑞穂国にとって、そんなに悪くない気がするけど、色彩の宝石は必要なんでしょうか」 志那津と利荔と、紅優まで、同じ顔をしている。 三人とも、ぱちくり、と目を瞬かせた。「蒼愛の指摘は、またも正しいよ。適度に結界が機能していて、それなりに人間が狩れる。国としては潤うよね」 利荔が肯定的な見解をくれた。「だからこそ、中途半端な状態が千年近く続いて来たんだよ。それはそれで成り立ってしまっているからな」 志那津も同じような言葉

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   80.瑞穂国の違和感①

     瑞穂国創世記の第一章と第二章を読んだ蒼愛は言葉を失くした。 「蒼愛に必要な部分を抜粋するとしたら、この辺りかなぁ。ちょっとショッキングかもしれないけどね」 紅優に手伝ってもらいながら創世記を読み始めたら、利荔がすぐに来てくれた。 難しい表現や漢字を気にしなくていいように、要約して語って聞かせてくれた。「どうしてこの国で、人間が餌か奴隷なのか、よくわかりました」 人間と妖怪の棲み分けのために作った国に、豊かで住みやすそうだからという理由で侵略を仕掛ける人間は、蒼愛でも醜いと思う。(この国の民はあくまで妖怪だ。国の民を守るために神様が侵略者を排除するのは当然だ) まるで自業自得としか言いようのない事情に、何も言えない。(でも、ちょっとわかった。色彩の宝石を盗んだ犯人と、その理由) ずっとモヤモヤしていた胸の中の霧が、ほんの少しだけ晴れた気がした。「色彩の宝石を人間が現世に持ち去った時に、手助けした者がいたんですよね」 蒼愛は、利荔に問い掛けた。 色彩の宝石を盗んだのは神様だと、月詠見は話していた。「そうだよ。この幽世に色彩の宝石があると都合が悪い者がいるのさ。蒼愛は、誰だと思う?」 創世記のページを、じっと見詰める。 第一章の神様のページを、蒼愛は指でなぞった。(御披露目の時は、須勢理様だと思った。だけど、違う。色彩の宝石があって、本当に困るのは)「大気津様、ですよね。全部、須勢理様のせいのように見せかけているだけで」 隣にいる紅優が息を飲んだ。「何故、そう思った? 根拠は……、そう思った理由は、何?」 志那津が問いを投げる。 蒼愛が難しい言葉を知らないので、言い直してくれる辺り、優しいと思う。「須勢理様は現世では根の国の、亡者の国の神様だったんですよね。今の大気津様は、そういう状態じゃないかと思って。御披露目で会った時、須勢理様だけ他の神様と気配が違ったんです。強い死の匂いを纏っているような感じ

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  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   78.不穏な声

     寝所を出て、広間に向かう。 途中、従者らしき者に声を掛けられ、奥の間に案内された。 部屋に入ると、文机とノートのような冊子に筆が、きっちりと準備されていた。「なんだ、もう平気なのか?」 後ろから志那津に声を掛けられて、振り返る。「急に眠っちゃって、すみませんでした。すっかり元気です」 深々と頭を下げた。 利荔に霊力を吸われた後、蒼愛は意識を失って倒れたらしい。 怖い声を聴いて、気が付いたら紅優に抱かれて寝ていた。「あれは利荔の無礼のせいだから、気にしなくていい。むしろ謝るべきは俺だ。すまなかった」 志那津に真っ直ぐに謝られて、ぽかんと口を開けてしまった。「なんだよ、その締まりのない顔は。余計に阿呆に見えるから、せめて口を閉じろよ」 指摘されて、慌てて口を閉じた。「調子が戻ったのなら、学びを始める。まずは漢字の書き取りから。ある程度の漢字を覚えたら、創世記の説明を利荔にさせるから。今日は漢字の書き取りをびっしりやってもらう。三日しかないんだから、効率よく集中して覚えろよ」「はい! わかりました」 志那津が早口でまくし立てるので、思わず背筋が伸びた。「志那津様、時の回廊は、今、どうしていますか?」 さらっと紅優が質問を挟んだ。「常時と変化ない。ここ数百年は誰も入っていないよ」 志那津が訝し気な視線を紅優に向ける。「実は先ほど、蒼愛の夢に何者かが入り込んだ様子で。声しか聞こえなかったんだよね? 姿は見た?」 紅優に質問され、蒼愛は首を振った。「真っ暗な場所で、声を聴いただけだよ。とても怖くて、逃げたんだけど、どこも真っ暗で、どこに逃げればいいか、わからなくて。ずっと紅優の名前を呼んでた」 思い出すだけでも背筋が寒くなる。 そんな怖さだった。 志那津が、あからさまに顔色を変えた。「どんな声だった? 男? 女?」「よく、わかりません。女性だったようにも思うし、男性だった気もす

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   77.おまけなんて言わないで②

    「蒼愛……」 紅優の手が伸びて、蒼愛の涙を拭った。「こっちにおいで」 優しく肩を抱かれて、紅優の上に横たわる。「ごめんね、蒼愛。俺もちょっと寂しくなってた。蒼愛が遠くに行ってしまいそうで、怖くて。俺の蒼愛なのに、皆に愛されている蒼愛に、ちょっとだけ嫉妬した」 神々に会うたびに加護と称してキスしたり、それらしい行為をしてしまっているので、何も言えない。 そういうのも、きっと紅優を不安にさせているんだろうと思った。「もう、神様に会っても加護とかもらったりしないから……」「それはダメだよ」 紅優が蒼愛の言葉を遮って、ぴしゃりと言い切った。「神様の加護を貰って、神様に愛されるのが蒼愛の、色彩の宝石の務めだ。蒼愛はそれを受け入れなきゃ。勿論、俺もなんだけどね」 紅優の腕が蒼愛を抱きすくめる。「僕の全部って言ってくれて、嬉しい。どうしようもなく嬉しい。他の誰にも触らせたくない。どこかに仕舞い込んで俺だけの蒼愛にしてしまいたい。けどね、皆に愛されてる蒼愛を見ているのも、俺は好き。俺の大好きで大事な蒼愛を皆も大事にしてくれてるのが、嬉しいんだよ」 顔を上げると、紅優が優しく微笑みかけてくれた。「大事な蒼愛を失わないためには、神様の加護も、神に愛されるのも、今の蒼愛には大事だよ。身を守る手段になる。俺たちは今、淤加美様の試練の最中だ。試練を終えたら、永遠の祝福を貰えるでしょ」「あ! そうだった」 色々あって、すっかり忘れていた。 永遠の祝福を貰えれば、紅優とこれからもずっと番でいられる。「だから今は、頑張ろうね」 紅優の言葉に、蒼愛は素直に頷いた。「でも、紅優。もう、おまけ、なんて言わないで。僕が一番大切なのは、紅優だけだよ」 紅優が嬉しそうに蒼愛の目尻を指でなぞった。「そうだね、ごめん。蒼愛が頑張るのは全部、俺と幸せを見つけるため、だもんね。二人で芯との約束を叶えないとね」 

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   76.おまけなんて言わないで①

     暗い、只々真っ暗で、何もない。 目を瞑った時の瞼の裏より暗くて、まるで黒い絵の具を一面に溢してしまった空間のようだと思った。 誰もいないのに、たくさんの気配を感じる気がする。 大勢のようで一人にも感じる。 その誰かは、泣いているようだった。『……憎い、私を捨てた者たちが。嫌い、みんな喰われて消えればいい。総て壊れてしまえばいい、人も妖怪も神も、この世も。何もかも、消えてなくなればいい』 悲しい感情が流れ込んでくる。 同じくらい強い怒りの感情が、恐ろしかった。『お前が壊しなさい、蒼愛。この世を何もなかった頃に戻すの。お前は意志を持つ色彩の宝石。私の敵になってはいけない。神々にかどわかされては、いけない。真実を知りなさい』 何も見えないのに、何かが近付いてくる。 あれはきっと触れてはいけない何かだ。 聞いてはいけない声だ。 怖くて走って逃げた。「紅優、紅優、助けて、助けて!」「蒼愛! こっちだ。ここに居るよ。手を握っているよ」 右手に温もりを感じて、ようやく胸に安堵が降りた。「紅優、僕を引き上げて。紅優の胸の中で、抱き締めて」 呟きながら、蒼愛はゆっくりと目を閉じた。  目を開くと、紅優の匂いがした。 顔を上げたら、紅優が心配そうに蒼愛を見下ろしていた。「大丈夫? うなされていたみたいだけど、怖い夢でもみた?」 蒼愛は力いっぱい紅優に抱き付いた。 紅優の着物を強く掴んでも、手の震えが消えない。 そんな蒼愛に気が付いて、紅優が蒼愛の体を抱きしめてくれた。「誰かが、この国を壊せって。神様に騙されるな、真実を知れって」 紅優が息を飲んだ。気配が緊張したのが分かった。「あれは、聞いちゃいけない声だ。僕を、色彩の宝石を使って、悪いこと、するつもりの声だ」 思い出すだけで怖くて、体が震える。「蒼愛はそんな風に、感じたんだね」 紅優

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